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土壌pHを安く測定する方法 [菜園]

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 本日は朝から晴れ。絶好のお畑日和のはずが、昨夕から原因不明の発熱で寝込んでしまい、今日の畑作業は延期することに。一時は38℃を越え、上半身の関節が痛くなったので、「インフルか!?」と思ったが、今朝起きたらほぼ平熱で、発熱は12時間のみなので、インフルは否定的。上気道の症状も消化器症状も全くなし。今週は年度初めで忙し過ぎたので、身体が悲鳴を上げたのだろう。

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 昨夜、寝込んでいる最中にサカタのタネからサツマイモのメリクロン苗が到着。すぐに鉢かプランターに植えたいところだが、今日の作業はお預け。水を遣ってビニールテントへ入れておいた。

 さて、第二菜園を借りられたのは嬉しいが、長らく放置状態だったようだ。開墾地や草地などは土壌が中酸性以上になっていることが多く、あるいは前の耕作者が石灰を撒き過ぎてアルカリ土壌になっていることも考えられる。できるなら、土壌pHを測ってみたいところである。

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熊本県地産・地消サイトより
 多くの野菜はpH=6.0~7.0くらいの弱酸性の土壌を好むが、種類によっては酸性だと育ちにくいものがある。ジャガイモやサツマイモのように中酸性(pH=5.0~6.5)でも育つものがある一方で、ホウレンソウやレタスのように中性前後(pH=6.5~8.0)が至適pHの作物もある。それらの作物をうまく育てるには、酸性側に傾きすぎた土壌を石灰で中和して、アルカリ側に引き寄せて弱酸性~中性にする必要がある。永田農法で使うケイカルは優れた土壌改良剤だが、中和剤としては弱いため、土壌があまりに酸性に傾き過ぎている時は、苦土石灰などで中和するほうが早いようだ。

 逆に、石灰分を過剰に撒き過ぎたりして土壌がアルカリ性に傾き過ぎている場合は、硫安などの酸性肥料やピートモスなどの酸性資材を撒くか、ホウレンソウや小松菜を作り続けて石灰分を吸収させることになる。アルカリ土壌は酸性土壌よりも修正が難しいようだ。

 土壌pHを知る一番手軽な方法は、試しにホウレンソウやレタスなどの酸性土壌の苦手な野菜を育ててみることである。うまく育てばpH=6.5~8.0くらいの土壌であることが分かるし、ダメならその範囲から外れているということになる。でも、それだと結果が分かるまで数ヶ月かかってしまう。

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 金に糸目を付けなければ、土壌用酸度測定器(pHメータ)を買って土に差せば、瞬時にpHを計測できる。でも、年に何度も使わない器械に3000~6000円も出すのは気がひけるのと、おそらく直接測っているのは電気抵抗で、それを酸度に換算しているのだろうから、測定精度は製品によって異なることが予想される。

 もう一つの方法は、土を水に溶いて、その上澄みにpH試験紙を浸して測定することだ。詳しい方法は↓に載っているとおりで、乾燥土壌20gを水道水50mLに溶いて試験紙をつける。別の本にも「土に2.5倍量の重さの水を加えて溶く」とあるので、この割合なのだろう。
http://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/kou_nougyou/jikken/SubKagakukiso/3dojyou1/method03.html

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 pH試験紙は1000円前後で売っていて、東急ハンズやamazonなどで手に入れることができる。問題は、pH=4~10くらいの範囲を0.5刻みで測りたいのに、安いpH試験紙は測定範囲がpH=1~14と広く、試験紙の色の違いを0.5刻みで判定することは難しそうなことである。

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 私はケチなので、もっと安く測る方法はないかと悩んでいた。妹に頼んで、勤め先の研究室からpH試験紙をギッてきてもらう、という手もあるが、見つかって懲戒免職にでもなったら大変だ。いろいろ考えていたら、amazonで興味深いものを見つけた。それは浄水器のフィルターを交換したあとに水のpHをチェックするための「pH試験液」である。これだと500円前後とお得だし、家電量販店や大きなホームセンターにありそうだ。測定範囲もpH=4~12くらいのようで、土壌酸度測定には向いているかも知れない。

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 というわけで、会社の帰りに早速K'sデンキに寄って、パナソニックのpH試験液を買ってきた。TK805003とTK74003という2種類があるようだが、お店にあったのは後者のみ。価格は560円くらい。

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 さて、午後には体調が良くなったので、第二菜園へ土の採取に出掛けた。親分(妻)が心配してついてきてくれた。風が強いものの笠寺公園の桜が満開で、やっぱり畑仕事がしたいなぁと思った。

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 第二菜園の計3ヶ所のサンプル土を採取した。途中で薬局に寄って蒸留水を買おうとしたら、若い店員さんが「ジョウリュウスイ?何に使うものですか?」と不思議な顔。あんたら、小学校を卒業して10年くらいしか経ってないだろうにと思いながらも「コンタクトの洗浄などに」と言い掛けたら、「あぁ、精製水ですね。こちらです」とのお返事。ちょっと違うんだけどなぁ、と思いながら購入したが、これがあとで問題になった。

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 pH試験薬の他に用意するのは、台所用の秤、500mLペットボトルを切って作った容器が2つ、100円ショップで買ったスポイト、それに精製水。

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 ペットボトル容器は、計量カップで計った50mlの水を入れて油性ペンでマークしておく。これでいつでも「50mlの水」を測り採ることができる。

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 まずは、精製水のpHを測定し、試験液が変質してないことを確認する。と思ったら、あれ?酸性?おかしいなぁ。と思いながらも、思い当たることが…精製水は中性とは限らないのだ。特に、人の体表面に使う精製水は弱酸性に調整されている可能性がある。

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 というわけで、あらためて水道水のpHを計ったところ、これが見事にpH=7の中性。試験液は正常のようである。これによって、測定にはありふれた水道水を使うことに決まった。精製水は無駄な出費だったが、98円だからまあよいか。

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 本来であれば、pHが判明している試薬(pH標準液)をコントロール(基準)として用い、試験薬の精度を確認したいところだが、なるべく安く上げるために、家にある酸性とアルカリ性の洗剤を使うことにしよう。

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 これは酸素(過酸化水素)系の漂白剤で、弱酸性と表示されている。原液で使うのではなく、水道水を容器に汲んでチョロっと混ぜるだけ。

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 おお、pH=4~5くらいの見事に酸性ではないか。

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 次は弱アルカリ性の合成洗剤(ガラス・マイペット)を。

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 これもpH=10くらいで見事なアルカリ性。よしよし、これで試験薬の質は大丈夫。

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 いよいよ、土の酸度測定を。まずは苗作りに使っている市販の培養土を約20g測り取る。

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 これに、さきほどマーキングしたペットボトル容器で50mlの水道水を測って加え、アイスクリーム用のプラスチックのお匙で混ぜる。このお匙はいろいろ使えるので、たまにスーパーで頂いてくる。

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 泥が沈むまで3分ほど置き、上澄みをスポイトで吸い上げて測定容器に。泥でやや濁っているが、見たところpH=6~7くらいで、中性からやや酸性。確かにどんな野菜にも適している酸度である。

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 泥の濁りの影響を確認するため、ここに先ほどの弱酸性洗剤を加えてみる。濁っていてもちゃんと黄色で、判定可能だということが分かる。

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 こちらは弱アルカリ性洗剤を加えたもの。こちらもOK。これで「濁りの影響」が把握出来たので、いよいよ第二菜園の土のサンプルを測定しよう。

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 まずは一番西側の、夕方に日陰になる場所の土。だいたいpH=6.5というところで、酸度としては補正不要のようだ。

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 次は用地の真ん中あたりの土。西側の土に比べるとやや酸性に傾いているもののpH=6.0~6.5の間くらいか。ここも補正はさほどしなくてもよさそう。

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 最後に一番東側の雑草が生い茂っていたところ。前の2つに比べると酸度が強く、pH=6くらいか。それでも野菜が作れないような酸度ではなく、ちょっと補正するだけで良さそうだ。

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 念のために精製水をもう一度計ってみたが、やはりpH=5くらいの酸性である。

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 仕上げに、水道水をもう一度計り、これで測定終了。

  測定の結果として、第二菜園は全体にpH6~7くらいの適切な酸度で、ケイカルで充分対応できるようだ。ただ、前耕作者が最も手を入れていなかったと思われる東側は最も酸度が高かったので、少しだけ苦土石灰を混ぜることにしよう。また、薬局で売っている精製水は測定に使えず、水道水で充分なことが分かった。

 というわけで、pH試験液・スポイト・はかりの3つが揃えば、あとは適当にペットボトルなどで容器を作れば、手軽に安く土壌pHが計れることが分かった。大変満足で、今日は美味しいお酒が飲めそうだ、なんて言ったら、親分が心配して怒りそうだなぁ。
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コメント 14

TOTO

とても興味深いです。
私も畑を耕しながら、「前利用者はどんな肥料を与えたんだろう」と思ってました。
pHを測定すればどんな状態なのか一発でわかりますね!
しかも安くできるとは!
高くても買おうかと思ってました(^^;)。

by TOTO (2010-04-06 06:58) 

etopirika

肥料(例えば窒素分)の濃度まで測ろうと思えば、もっと
大掛かりな装置が必要になるので、これはあくまでpHのみです。

それにしても、道具に頼れば頼るほど、そんなものが
なくても土の状態を知ることができた昔の人は、本当に
凄いなぁと思います。土や野菜と会話してたのかなぁ?
by etopirika (2010-04-06 20:31) 

f古田

sすごく勉強になりました!有り難うございます
by f古田 (2011-10-21 07:52) 

fujii

はじめまして、こんにちは。
土壌pHで検索をしていて、たどり着きました。
精製水のかわりに、100円程度で売っているミネラルウォータが
精度チェックに使えますよ。
すべてではないですが、おおよそのpHが表示してあります。
pH7などと表示してあります。(多少の誤差はあると思いますが)
pH9などと表示されたアルカリイオン水もありますので、アルカリ側のチェックもできます。

ただこの方法で土壌のpHを測る場合、仮に本当の土壌pHは5なのに、
使う水(pH7)の影響を受けて6.3などと出てくることもあるかなと思いますが、
いかがでしょうか?
by fujii (2012-07-18 00:00) 

空想

とても欲しかった情報です!
ありがとうございます!
by 空想 (2013-05-14 07:45) 

お名前(必須)

精製水が酸性なのは蒸留を繰り返す間にたくさんの二酸化炭素が溶け込むからですよー。
by お名前(必須) (2014-03-29 18:03) 

A

安価でお手軽なこのような方法を探しておりました。
参考にさせていただきました。ありがとうございます。
by A (2014-09-01 13:53) 

rikorin

記事とってもわかりやすく興味深かったです^_^
by rikorin (2014-12-28 11:01) 

mizuya

精製水は、非常に不純物の含有が少ない為、無機物の溶解力が非常に高いのです
それで、製造直後はほぼpH7なのですが、放っておくとすぐに空気中の二酸化炭素を吸って酸性に傾いてしまいます。なので作りたてじゃない市販のモノは基本的に酸性です。中性を確認したいときはリン酸緩衝のpH7位の溶液を使うのが一般的です。蛇足ですが、。

by mizuya (2015-01-12 07:53) 

くま太郎

pH調べる計測器を探していたところ拝見させて頂きました。今まで自分が栽培していたやり方は、農業を侮辱して居たと改めさせられました…。貴重なお言葉、知識経験をありがとうございました。どうぞこれからもお身体に気を付けて下さいませ。
by くま太郎 (2015-02-22 22:26) 

ゆうた3

その手がありまししたか!

ちょうどpHを安く調べる方法を探していましたので、参考にさせて頂きます!!
by ゆうた3 (2015-04-07 22:45) 

旅烏

中性に近いペーハーを測るなら東京ろ紙の7.8から6.2を測るBTB検査紙があるよ。
by 旅烏 (2016-06-13 21:50) 

とおりすがり

Amazonで同じものを買いました。
とても参考になりましたー!
by とおりすがり (2016-07-27 13:48) 

しのべえ

精製水の問題を書かれていますが、多分精製水は問題ないと思います。
純水であっても空気中のCO2が溶解するとpH6.2程度まで下がります。
逆に、水道水はCa等の影響で弱アルカリであることが多いです。ここにCO2が作用すると、、、つまり、残念ですが、水はpHの基準にはなりません。。。
by しのべえ (2016-09-19 11:21) 

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